海外移住に限らず、
資格の勉強に限らず、
「やろうかな」と思ったまま、やらない人はとても多いです。
それは、怠けているからでも、
本気じゃないからでもありません。
むしろ逆で、
ちゃんと考えているからこそ、
一歩が出ない人のほうが多いのだと思います。
USCPAという資格を調べる人も、
きっと同じです。
おそらく勢いでワーホリに飛び込むタイプではないでしょうし、
「夢があれば何とかなる」とも思っていない。
だからこそ、制度を調べ、数字を確認し、
立ち止まって考えているのだと思います。
この記事は、
USCPAを勧めるためのものではありません。
何かを始めるべきだ、と背中を強く押すためのものでもありません。
ただ、
迷っている人が、もう一度考えるための材料として、
「USCPAを選ばなかった場合、どんな道が現実的なのか」を
少し整理してみたいと思っています。
「USCPA以外にも道はある」と言われるが
海外移住を考え始めると、
必ず耳にする言葉があります。
- カナダのほうが永住権は取りやすい
- ITに行けば需要がある
- 学生ビザから入る人も多い
- ワーホリ→現地就職も可能だ
どれも、間違いではありません。
ただし、条件付きです。
USCPAを検討する人の多くは、
こうした話を聞いたうえで、
「それは自分に合うだろうか」
「現実的に続けられるだろうか」
と、一度立ち止まって考えています。
ここでは、
USCPAを選ばなかった人が進むことの多い選択肢を、
できるだけ冷静に見ていきます。
選択肢①:カナダ移住というルートについて
最近、「USCPA カナダ」という検索が少しずつ増えています。
背景には、
- カナダは移民国家というイメージ
- 永住権制度が柔軟そう
- 会計職の需要もありそう
といった印象があるのだと思います。
では、現実はどうでしょうか。
カナダの永住権制度(Express Entry)は、
CRSスコアという点数制です。
評価されるのは、
- 年齢
- 英語力(IELTS General)
- 学歴
- カナダ国内の学歴・職歴
ここで重要なのは、
カナダ国内での実績がないと点が伸びにくいという点です。
つまり多くの場合、
- カナダの学校に通う
- カナダで働く
このどちらかを経由する前提になります。
USCPAについても、
評価される場面はありますが、
それ単体で永住権が近づく資格ではありません。
結果として、
学生→就労→永住権という、
時間と資金をかけた長期戦になりやすいのが実情です。
若くて、時間と資金に余裕がある人には向いていますが、
「できるだけ遠回りはしたくない」と考える人にとっては、
重たい選択になることもあります。
選択肢②:IT・エンジニア系への転向
USCPAを考える人の中には、
論理的思考が得意な人も多いです。
そのため、
「ITに行ったほうが早いのでは?」
と考える人も少なくありません。
確かに、
IT職は需要がありますし、
国をまたいで働ける可能性もあります。
ただし現実的には、
- スキルアセスメントは職歴重視
- 年齢や実務経験の影響が大きい
- 英語で即戦力が求められる
という条件があります。
すでに会計・財務・管理系で
キャリアを積んできた人にとっては、
これまでの積み上げを一度手放す選択になります。
「できない」わけではありませんが、
コストが高い選択になることは理解しておく必要があります。
選択肢③:企業内トランスファーという形
外資系企業やグローバル企業に勤めている人の場合、
企業内トランスファーという道もあります。
この方法の良い点は、
- ビザは会社が手配する
- 海外経験を積みやすい
という点です。
一方で、
- 永住権は別問題になる
- 配属終了と同時に帰国するケースが多い
- キャリアの主導権は会社側にある
という側面もあります。
「海外で働く」は実現しても、
「海外に住み続ける」とは別の話になることが多いのです。
USCPAを検討する人が求めているのは、
会社ではなく、自分の専門性を軸に選ばれる立場であることが多く、
その点では決定打になりにくい選択肢です。
選択肢④:何も選ばない、という現実
少し厳しい話になりますが、
これがいちばん多い選択です。
- 英語をもう少しやってから
- 情報収集を続けながら
- 忙しくなって後回しにする
そうしているうちに、
- 年齢ポイントが下がり
- 選択肢が減り
- 「あの時、動いていれば」と振り返る
こうなる人は少なくありません。
能力の問題ではありません。
戦略を決めなかっただけです。
それでもUSCPAが検討され続ける理由
USCPAは、
- カナダで万能な資格ではありません
- オーストラリア永住権を保証するものでもありません
ただし、
- 国をまたいで説明できる
- 会計職としての軸になる
- 仮に移住しなくてもキャリアに残る
という特徴があります。
だからこそ、
「移住できるか分からないけれど、
無駄にならない努力をしたい」
そう考える人が、
最終的にUSCPAを検討します。
これは、
勝つための選択というより、
負けにくくするための選択なのだと思います。
USCPAを選ばないことは、間違いではない
ここは、はっきりさせておきたいところです。
- カナダ移住を選ぶのも正解です
- ITに舵を切るのも正解です
- 日本でキャリアを深めるのも正解です
ただし、
「何を捨てて、何を取りに行くのか」を
理解したうえで選ぶことが大切です。
USCPAを検討するレベルの人ほど、
ここを曖昧にしたまま進むのが
いちばん後悔につながりやすいように感じます。
最後に
何かを始めるかどうかは、
今すぐ決めなくてもいいと思います。
ただ、
考えるのをやめてしまうことだけは、
未来につながりにくくなります。
迷っているということは、
まだ考え続けているということです。
それは、
止まっている状態ではありません。
この記事が、
あなたがもう一度考えるための
静かな材料になれば幸いです。


