聖パトリックデー (St. Patrick’s Day) は、アイルランドの守護聖人である聖パトリックの命日を3月17日に称える祭日です。
アイルランドはもちろん、アメリカやオーストラリアなど、アイルランド系移民が多い国でも盛大に祝われ、ニューヨークでは大閲覧行進が開催され、シカゴでは川を緑色に染める伝統があることで知られています。
聖パトリックの歴史と伝統
聖パトリックは5世紀頃の人物で、アイルランドにキリスト教を広めた聖人として知られています。他は、アイルランドにいた蛇を駆逐したという伝説もあり、汚れをなくす象徴とされています。
聖パトリックデーの象徴となるのは「緑色」。この色はアイルランドの自然風景や、聖パトリックが「三位一体」を説明するために用いたとされる「シャムロック (shamrock)」を象徴しています。

「シャムロック (shamrock)」は三つ葉のクローバーのこと。厳密には、シャムロックはクローバーだけでなく、三つ葉を持つ植物の総称です。聖パトリックデーのシンボルでもあるシャムロックはアイルランドの国花でもあります。
日本では四つ葉のクローバーが幸運のシンボルとして有名ですが、アイルランドでは三つ葉のシャムロックが特別な意味を持っているなんて面白いですね。
歴史的背景

- 聖パトリックとは:
- 5世紀頃、アイルランドにキリスト教を広めた聖人。
- アイルランドの守護聖人として崇められています。
- 伝説では、アイルランドの蛇を駆逐したとされています。
- 起源:
- 聖パトリックの命日である3月17日を祝う宗教的な祭日として始まりました。
- 17世紀にアイルランドの祝日として定められ、その後、アイルランド系移民によって世界中に広まりました。
聖パトリックと三位一体
聖パトリックは、キリスト教の教義である三位一体(父なる神、子なるイエス・キリスト、聖霊は一体であるという考え方)を、アイルランドの人々に分かりやすく説明するために、シャムロック(三つ葉のクローバー)を使ったと言われています。シャムロックの三つの葉が、それぞれ父なる神、子なるイエス・キリスト、聖霊を表し、それらが一つの茎につながっていることから、三位一体を説明したとされています。
各国での認識とお祝いの仕方

- アイルランド:
- 最も盛大に祝われる国。
- 首都ダブリンでは、数日間にわたるフェスティバルやパレードが開催されます。
- 緑色の服を着たり、シャムロック(三つ葉のクローバー)を身に着けたりして祝います。
- 伝統的な音楽やダンス、アイルランド料理を楽しみます。
- アメリカ:
- アイルランド系移民が多いアメリカでも、盛大に祝われます。
- ニューヨークやシカゴなど、各地で大規模なパレードが開催されます。
- 緑色の服を着て、パレードを見たり、アイリッシュパブでビールを飲んだりして祝います。
- シカゴではシカゴ川を緑色に染める伝統的なイベントがあります。
- その他の国々:
- イギリス、カナダ、オーストラリアなど、アイルランド系移民が多い国々でも祝われます。
- パレードやイベントが開催され、緑色の服を着て祝うのが一般的です。
- 近年では日本でも各地でイベントが開催されています。

シカゴ川を染める染料は食品グレードの安全な成分が使用されていると言われています。環境にも配慮されているんですね!
聖パトリックデーは、アイルランド系移民が多いアメリカで盛大。商業化も進み、国民的祝祭として定着。一方アイルランドは伝統的な祝祭で、家族と過ごす日として大切にされています。
聖パトリックデーの象徴

- 緑色:
- アイルランドの風景や春の象徴。
- 聖パトリックデーには、緑色の服を着たり、緑色の装飾をしたりするのが慣習です。
- シャムロック:
- 聖パトリックが三位一体を説明するために使ったとされる三つ葉のクローバー。
- 聖パトリックデーのシンボルとして、服や装飾品によく使われます。
- アイルランド音楽:
- アイルランドの伝統的な音楽は、聖パトリックデーのお祝いに欠かせません。
- アイルランド料理:
- コーンビーフやキャベツなど伝統的なアイルランドの料理を食べるのも、聖パトリックデーの楽しみ方の一つです。
聖パトリックデーは、アイルランドの文化と歴史を祝う楽しい祭日です。世界中で、人々が緑色の服を着て、音楽やダンス、食事を楽しみながら、聖パトリックデーを祝っています。
【クイズ】色を使った英語表現問題
問題1: 選択問 (初級)
Which phrase means ‘jealousy’?
A) Feeling blue
B) Seeing red
C) Green with envy
D) White lie
正解: C) Green with envy
解説: “green with envy”は「しっとでいっぱいの様子」を指します。
問題2: 空欄埋め問題 (中級)
Fill in the blank with the correct color:
“I forgot my umbrella, and now I’m ______ with cold.”
正解: blue
解説: “blue with cold”は「寒さで震えている」という意味の表現です。
問題3: 意味選択問題 (上級)
What does the phrase ‘once in a blue moon’ mean?
A) Very often
B) Very rarely
C) Feeling sad
D) Something impossible
正解: B) Very rarely
解説: “once in a blue moon”は「めったにない」という意味です。
特別問題: 聖パトリックデーにちなんだ問題
Which color should you wear on St. Patrick’s Day to avoid being pinched?
A) Blue
B) Yellow
C) Green
D) Red
正解: C) Green
解説: アイルランドの伝説では、緑を着ると「妖精 (leprechaun)に見つからない」とされ、緑色の衣服を着ていない人は「つねられる」という風習があります。この伝説は、「緑を着ると妖精に捕まらない、またはいたずらされない」という意味。アイルランドの伝説では、妖精(leprechaun)は緑色を好むとされ、緑を着ていると妖精から守られる、または見つからずに済むと言われています。
逆に、緑色を着ていないと、妖精に見つかって「つねられる」という風習があり、これが聖パトリックデーに緑を着る習慣の由来となっています。

妖精レプラコーン (leprechaun)とは、アイルランドの伝承に登場する妖精で、緑の服を着た小さなお爺さんとして描かれ、陽気でいたずら好きな性格とされています。金の壺を隠し持っている伝説も!
終わりに
聖パトリックデーは、アイルランドの守護聖人聖パトリックを祝う祭りで、世界中で広く祝われています。この日、アイルランドの伝統や文化を感じることができ、緑色を身に着ける習慣が象徴的です。また、聖パトリックがアイルランドにキリスト教を広めた歴史や、伝説的なエピソードも多くの人々に愛されています。さらに、色を使った英語表現を通じて、文化と語学を楽しむことができるこの特別な日を楽しでみましょう!