海外ニュースや刑事ドラマを見ていると、同じ「犯人」のはずなのに、suspect だったり culprit だったり perpetrator だったりして、「結局どれがどう違うの?」と思うことはありませんか。
日本語では、まだ疑われている段階でも、実際に罪を犯した人でも、まとめて「犯人」と言ってしまいがちです。
でも英語では、このあたりをかなり細かく言い分けます。
そのため、英語ニュースを読んでいても、単語の違いがわからないままだと話の輪郭が少しぼやけやすくなります。
一方で、ここがわかるようになると、「この人は容疑者なのか」「実行犯として書かれているのか」が見えてきて、ニュースやドラマの理解がぐっと深まります。
この記事は、英語ニュースや海外ドラマをある程度楽しめるようになってきた人向けに、「犯人」にまつわる表現の違いを整理した内容です。
少し情報量は多めですが、全部を一度に覚える必要はありません。
まずは、
suspect= 容疑者criminal= 犯罪者
この2つの違いだけ押さえられれば十分です。
そのうえで、culprit や perpetrator、さらに person of interest などの表現まで広げていくと、英語ニュースの解像度がかなり上がっていきます。
この記事では、「犯人 英語」で検索した人がつまずきやすい
suspectperpetratorculpritcriminal
の違いを中心に、事件報道でよく出る person of interest、evidence、motive、search warrant などの語彙もあわせて整理します。
「なんとなく読める」で終わらず、英語のニュアンスまで拾えるようになりたい人は、ここでまとめて押さえておきましょう。
「犯人」は英語で1語ではない
まず結論から言うと、日本語の「犯人」にぴったり対応する英単語は1つではありません。
英語では、その人が
- まだ疑われているだけなのか
- 実際に犯行を行った人物として描かれているのか
- すでに犯罪者という属性で語られているのか
によって、使う語が変わります。
ここを雑に読むと、ニュースの内容を取り違えやすくなります。
逆に言えば、この違いさえ押さえておけば、「犯人 英語」で出てくる単語の整理はかなり進みます。
suspect は「容疑者」
いちばんよく見かけるのが suspect です。
これは、まだ犯人と確定していないが、警察に疑われている人物を指します。
つまり、「犯人」ではなく、あくまで容疑者です。
たとえば、ニュースで police identified a suspect と言っていたら、それは「犯人が確定した」ではなく、「容疑者が特定された」という意味になります。
Example:
Police have identified a suspect in the case.
(警察はその事件の容疑者を特定しました。)
日本語ではつい「犯人が見つかった」と受け取りそうになりますが、英語ではこの段階ではまだ慎重です。
この“慎重さ”が英語ニュースの特徴でもあります。
perpetrator は「実行犯・加害者」
perpetrator は、その行為を実際に行った人物を指すやや硬めの単語です。
ニュース、報告書、説明文などで使われやすく、suspect よりも一歩踏み込んだ印象があります。
「疑われている人」ではなく、「犯行を行った主体」として書かれている感じです。
Example:
The perpetrator fled the scene before officers arrived.
(実行犯は警察官が到着する前に現場から逃走しました。)
刑事ドラマでは、これを略して perp と言うこともあります。
ただし perp はかなり口語的で、ドラマっぽい響きがあります。
学習者としてまず押さえるなら、正式な perpetrator を覚えておく方が安心です。
culprit は「犯人」でもあり「元凶」でもある
culprit は、日本語の「犯人」にいちばん近そうに見える単語です。
実際、「真犯人」っぽいニュアンスで使われることもあります。
ただし、この語は少しやっかいです。
というのも、culprit は事件の犯人だけでなく、問題の原因・元凶にも普通に使えるからです。
Example:
After a long investigation, the culprit was finally revealed.
(長い捜査の末、ついに犯人が明らかになりました。)
Example:
Stress was the real culprit.
(本当の原因はストレスでした。)
つまり culprit は便利な反面、法的にカチッとしたラベルというより、もう少し広く使われる語です。
そのため、ニュース英語を正確に読みたいなら、まずは
suspect= 容疑者perpetrator= 実行犯
を基準にし、culprit は「犯人・張本人・元凶」くらいの広めの語として理解しておくとズレにくいです。
criminal は「犯罪者」
criminal は、犯罪を犯した人、または犯罪者という属性を持つ人を指します。
事件のその瞬間の立場というより、「その人は犯罪者である」という、やや広い意味合いの語です。
Example:
He is a dangerous criminal with a long history of violence.
(彼は長い暴力歴を持つ危険な犯罪者です。)
ここで大事なのは、criminal は suspect と違って、まだ疑われているだけの人には基本的に使わないということです。criminal はかなり強い言い方なので、ニュースで見たときは「すでに罪を犯した人として扱われているんだな」と理解できます。
person of interest は「容疑者」とは少し違う
事件報道で見かける表現として、person of interest も覚えておきたいところです。
これは、警察が捜査上注目している人物を指します。
まだ suspect と呼ぶには早い段階で使われることがあり、日本語では「重要参考人」と訳されることもあります。
Example:
The victim’s neighbor is being questioned as a person of interest.
(被害者の隣人が重要参考人として事情聴取を受けています。)
ただし、日本語の「重要参考人」と英語の person of interest は、完全にぴったり一致するわけではありません。
なので、学習者としては「捜査上、気になる人物」「注目されている人物」くらいの感覚でつかんでおくと自然です。
suspect より断定を避けた、少し手前の表現。
この位置づけを覚えておくと、ニュースの温度感が読みやすくなります。
覚えておくと便利な刑事ドラマの定番表現
刑事ドラマやニュースでよく出てくる略語に MO があります。
これは modus operandi の略で、直訳すると「やり方」「犯行の手口」です。
特に、複数の事件に共通する犯人の行動パターンを指すときによく使われます。
たとえば、「侵入の仕方が毎回同じ」「犯行後の行動に共通点がある」といった場面で、「This matches his MO.」のように言われます。
また、海外ドラマで見かける John Doe や Jane Doe は、名前がわからない人物につける仮の名前です。
法的な文脈では、実名が不明な人や、匿名性を保ったまま手続きを進める必要がある人に使われます。
一般には John Doe が男性、Jane Doe が女性 です。
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「現行犯」は caught red-handed
事件ものの英語でよく出てくるのが caught red-handed です。
これは「現行犯で捕まる」という意味の定番表現です。
直訳すると「赤い手で捕まる」ですが、血や罪の痕跡が手についているイメージから来ています。
Example:
The burglar was caught red-handed while trying to open the safe.
(泥棒は金庫を開けようとしている最中に現行犯で捕まりました。)
ドラマやニュースだけでなく、日常でも比喩的に使われることがあります。
たとえば、こっそりお菓子を食べていた人が見つかったときにも冗談で使えます。
英語ってこういうところ、やたら血なまぐさい語源を軽やかに日常へ連行してきます。
「逮捕された」は was arrested / got arrested
「逮捕された」は基本的に was arrested でOKです。
ニュースではこちらがよく使われます。
会話では got arrested もよく出ます。
少しくだけた響きですが、意味は同じです。
Example:
He was arrested for murder.
(彼は殺人容疑で逮捕されました。)
Example:
He got arrested for theft.
(彼は窃盗で逮捕されました。)
ポイントは、逮捕理由を続けるときに for を使うことです。
- arrested for murder
- arrested for fraud
- arrested for assault
この形はニュースでも頻出なので、まとめて覚えておくと便利です。
家宅捜索は search、強制的な踏み込みは raid
捜査の流れで出てくるのが「家宅捜索」です。
英語では、いちばん基本になるのが search です。
特に令状が関わる場合は、search warrant(捜索令状)とセットで覚えると理解しやすいです。
Example:
Police obtained a search warrant for the suspect’s home.
(警察は容疑者宅の捜索令状を取得しました。)
conduct a search で「捜索を行う」と表現することもできます。
一方、raid はもっと強い語です。
警察が大勢で踏み込むような、いわゆる「ガサ入れ」に近いニュアンスがあります。
Example:
Police conducted a raid on the suspect’s residence at dawn.
(警察は明け方、容疑者の自宅に踏み込み捜索を行いました。)
つまり、
search= 中立的な「捜索」raid= 強制力や踏み込み感の強い「ガサ入れ」
という違いがあります。
このへんを一緒くたにせず読めるようになると、ニュースの描写がかなり具体的に見えてきます。
evidence は数えられない
日本語でも「エビデンス」という言い方はかなり浸透しましたが、英語の evidence は使い方に注意が必要です。
いちばん大事なのは、evidence は基本的に数えられない名詞だということです。
なので、「1つの証拠」と言いたいからといって an evidence とは言いません。
言いたいときは、a piece of evidence を使います。
Example:
Investigators are collecting evidence from the crime scene.
(捜査官たちは現場から証拠を集めています。)
Example:
The police found a piece of evidence in the suspect’s car.
(警察は容疑者の車の中で1つの証拠品を発見しました。)
ニュース英語では、証拠の種類を区別する表現もよく出ます。
physical evidence(物証)circumstantial evidence(状況証拠)
この2つもセットで覚えておくと、報道の理解がかなり楽になります。
motive は「動機」
事件報道で頻出するもう1つの単語が motive です。
意味は「動機」。
Example:
Police are still trying to determine the motive.
(警察は依然として動機の解明を進めています。)
Example:
Investigators believe there may have been a financial motive.
(捜査官たちは金銭的な動機があった可能性があると考えています。)
日本語の「モチベーション」に引っ張られると、少し感覚がずれることがあります。
ニュースで「犯行の動機」と言いたいときは、まず motive が出てくる、で大丈夫です。
事件ニュースで一緒に覚えたい関連表現
「犯人」の英語を理解したら、周辺語彙も少し押さえておくとニュースがさらに読みやすくなります。
grisly / gruesome murder
どちらも、むごたらしい殺人事件を表すときに使われます。
「猟奇殺人」と訳したくなる文脈で出てくることもありますが、まずは残虐で悲惨な殺人事件くらいの感覚で理解しておくと安全です。
crime scene
犯罪現場。at the crime scene で「現場で」。
witness
目撃者。
事件報道では非常によく出ます。
victim
被害者。
これも超基本語です。
forensic evidence
鑑識・法科学的証拠。
やや上級ですが、ニュース好きなら見かけます。
こういう単語を点で覚えるのではなく、事件の流れの中でつなげておくと、記憶にも残りやすいです。
まとめ:「犯人」は英語でどう言うかは、段階によって変わる
日本語では「犯人」で済ませてしまうところを、英語ではかなり丁寧に言い分けます。
ざっくり整理すると、こうなります。
suspect:容疑者person of interest:捜査上注目されている人物perpetrator:実行犯・加害者culprit:犯人、張本人、元凶criminal:犯罪者
つまり、「犯人 英語」の答えは1つではありません。
英語ニュースやドラマを読むときは、
この人はまだ疑われているだけなのか、それとも犯行を行った人物として書かれているのか
を意識するだけで、理解の精度がかなり上がります。
英語学習では、単語をただ和訳で覚えるだけだと、こういうところで限界が来ます。
でも逆に言えば、こうしたニュアンスの違いを拾えるようになると、ニュース英語が一段深く読めるようになります。
次に事件報道や刑事ドラマに触れるときは、ぜひ suspect なのか culprit なのか、ちょっと立ち止まって見てみてください。
そのひと手間だけで、「なんとなく読める」から「ちゃんとわかる」に変わっていきます。



