「よろしくお願いします」——。
私たちは一日に何度もこの言葉を口にします。朝の挨拶、仕事の依頼、メールの締め、そして初対面。しかし、いざ英語で言おうとすると「あれ、なんて言うんだっけ?」と止まってしまいませんか?
Nice to meet youで全部済ませて、なんか違う気がしたこと、ありませんか?
実は、英語に「よろしくお願いします」に100%合致する直訳はありません。
新年度や異動、新しいプロジェクトが始まる時期、この一言が言えないだけでコミュニケーションがぎこちなく感じてしまうのはもったいないですよね。
この記事では、場面ごとに「何と言えば自然に伝わるのか」を、ビジネス・日常会話・メールのシーン別に徹底解説します。
「よろしくお願いします」は英語に直訳できない理由
なぜ英語には「よろしくお願いします」がないのでしょうか?それは、日本語と英語の「言語の性質」の違いにあります。
- 日本語は「万能・察しの言語」: 一言で「これからの関係性を良好に保ちたい」というニュアンスを全て含めます。
- 英語は「目的・具体的な言語」: 「何に対して」よろしくなのか、意味を分解して伝えます。
英語で「よろしくお願いします」を伝えたいときは、頭の中で以下の4つに分解するのがコツです。
- 挨拶(会えて嬉しい)
- 期待(一緒に働くのが楽しみ)
- 依頼(手助けを頼む)
- 感謝(先にありがとうと言っておく)
正直なところ、「よろしくお願いします」は便利すぎる言葉です。
便利すぎる言葉ほど、海外ではだいたい通じません。
最初の「よろしくお願いします」(初対面・口頭)
新しい環境で自分を紹介する時の「よろしくお願いします」は、「会えて光栄です」「仲良くなりたいです」というポジティブな感情に変換します。
基本フレーズ
- Nice to meet you.
(はじめまして/よろしくお願いします)
※最も標準的ですが、実はこれだけで「よろしく」のニュアンスを含みます。 - It’s great to meet you.
(お会いできて嬉しいです)
※Niceよりも少し感情がこもっており、好印象を与えます。
一歩踏み込んだ表現(仕事・学校)
- I look forward to working with you.
(一緒にお仕事ができるのを楽しみにしています)
※ビジネスシーンの「これからよろしくお願いします」の決定版です。 - I’m happy to be here.
(ここに来られて(チームに加われて)嬉しいです)
※新入社員や転校生が、組織に対する意欲を示すのに最適です。
✔ ミニ解説
英語の初対面では「未来の依頼」よりも「今の喜び」を伝えるのがマナーです。
こうした「はじめまして+よろしくお願いします」の表現は、実際の自己紹介の中でそのまま使う場面がとても多いです。
👉 英語での自己紹介のコツや、すぐに使えるフレーズは、こちらの記事で詳しくまとめています。
英語で自己紹介を成功させるコツ!面接・ビジネス・オンライン英会話で役立つ自己紹介のコツ
会話の最後・締めの「よろしくお願いします」(口頭)
別れ際や、何かを頼んだ後の「じゃあ、よろしく!」にあたる表現です。
シンプル系
- Thank you.
(ありがとう)
※実はこれが最強の「よろしく」です。頼み事をした後はこれで完結します。 - I appreciate it.
(感謝します)
※Thank youよりも丁寧で、相手の厚意に対して「よろしく(頼みますね)」と伝える際に使います。
依頼を含む場合
- Thanks in advance.
(前もってお礼申し上げます)【⚠️訂正・注意点】
非常に便利なフレーズですが、実は「やってくれるのが当たり前」という強制的な響きが含まれることがあります。目上の人や、まだ受諾していない相手に使うのは避けましょう。 - I’m counting on you.
(頼りにしてるよ)
※同僚や部下に対して「期待してるよ、よろしく!」と背中を押すニュアンスです。
ビジネスメールでの「よろしくお願いします」
メールの結び(Sign-off)の前に置く「何卒よろしくお願い申し上げます」にあたる部分です。
丁寧な表現
- I look forward to your reply.
(お返事をお待ちしております) - Thank you for your cooperation.
(ご協力ありがとうございます) - I appreciate your support.
(ご支援のほど、よろしくお願いします)
ややカジュアル(社内や既知の相手)
- Thanks for your help.
(助かります、よろしく!) - Looking forward to hearing from you.
(連絡待ってるね)
※I look forward to… から “I” を抜くと少し柔らかい印象になります。
✔ ミニ解説
英語メールは「結びの言葉(Sincerely / Best regards)」の直前の一文が「よろしくお願いします」の役割を果たします。
チャット・カジュアルな「よろしくお願いします」
SlackやLINE、SNSでのやり取りでは、スピード感と短さが命です。
短くて自然な表現
- Thanks! / Cheers!
(よろしく!/ ありがとう!)
※イギリス圏ではCheersがよく使われます。 - Appreciate it!
(よろしくね!) - Talk soon!
(また近々話そう=じゃあ、よろしく!) - Let’s do this!
(さあ、やろう!=気合を入れてよろしく!)
まずは丸暗記でOK。でも慣れてきたら…|とりしま解説

「結局どれを使えばいいの?」と迷うかもしれません。
最初は「Nice to meet you(挨拶)」と「I look forward to working with you(仕事)」の2つだけで大丈夫です。正直、この2つでほとんどの場面は乗り切れます。
日本語でも、相手によって「よろしく〜」と言ったり「何卒宜しくお願い申し上げます」と言ったり、無意識に使い分けていますよね。
最初は場面ごとのフレーズをそのまま覚えてしまってOKです。
ただ、少し余裕が出てきたら一度立ち止まって、「よろしくお願いします」って結局どういう意味で使っているのかを考えてみてください。
お願いなのか、挨拶なのか、軽い締めなのか。
日本語でも意味が変わっているから、英語でも言い方が変わるだけです。
そう考えると、フレーズが違う理由も自然と納得できるはずです。
「よろしくお願いします」を英語にするときのコツ
迷ったときは、次の3ステップで考えてみてください。
- 「何を」してほしいのか明確にする(返信?作業?承諾?)
- 相手との距離感を考える(上司?同僚?友人?)
- 「感謝」か「期待」のどちらかに振り分ける
英語は「察してもらう」のではなく「言葉で定義する」言語です。
「よろしくお願いします」という霧のような言葉を、具体的な言葉の矢に変えて放つイメージを持つのが上達の近道です。
まとめ|「よろしくお願いします」は1つじゃない
- 英語に万能な「よろしくお願いします」は存在しない
- 場面(初対面・メール・依頼)ごとに分解して考える
- 「Thank you」と「Look forward to」が二大巨頭
「よろしくお願いします」という便利な言葉がないことは、不便に感じるかもしれません。
しかし、それは裏を返せば、自分の気持ちをより正確に相手に伝えられるチャンスでもあります。
だからこそ、英語は「考えて使う言語」です。
…とはいえ、最初は考えすぎなくてOK。まずは使えるフレーズから、少しずつ慣れていきましょう。
💡 さらにステップアップしたい方へ
「理屈はわかったけど、いざとなると言葉が出てこない…」
そんな方は、AI英会話アプリで練習してみるのがおすすめです。相手が人間ではないので、間違った表現でも気にせず試せます。まずは口に出して、身体に馴染ませることから始めてみましょう!



