干支は、日本ではとても身近な存在です。
年賀状や日常会話の中で自然に使われ、「何年生まれ?」と聞かれれば、干支で答える人も少なくありません。
けれど、この干支を英語で説明しようとすると、意外なところで言葉に詰まります。
Zodiac?
Chinese zodiac?
確かに近い言葉はありますが、それだけでは十分ではありません。
2026年は午年、そして丙午(ひのえうま)の年です。
この「午年」や「丙午」という呼び方が何を意味しているのか。
それを英語で説明しようとすると、日本文化だけでなく、東アジアに共通する時間の考え方が静かに浮かび上がってきます。
干支は英語でどう説明されるのでしょうか
干支は一般に、英語では the Chinese zodiac、あるいは文脈によって the Japanese zodiac と説明されます。
十干十二支という仕組み自体は、中国を起源とし、現在も中国・韓国・ベトナムなど、東アジア全域で共通して用いられています。
英語で説明する際には、次のような要素を整理すると分かりやすくなります。
- a twelve-year cycle(12年周期)
- each year represented by an animal(動物で表される年)
- traditionally used in East Asia(東アジアで使われてきた仕組み)
重要なのは、「仕組みそのもの」が日本独自なのではなく、その受け取られ方や生活文化への根付き方が、現代の日本では特に色濃く残っている点です。
年賀状や日常会話の中で干支が語られる習慣は、日本文化の一つの特徴と言えるでしょう。
2026年は「午年」|Year of the Horse
2026年は午年です。
英語では the Year of the Horse と表されます。
馬は、干支の中でも比較的イメージしやすい動物です。
英語で語られる一般的なイメージには、次のようなものがあります。
- energy(活力)
- speed(速さ)
- independence(自立)
ただし、これらは性格診断として固定されたものではありません。
本来の干支は、人の性格を断定するためのものではなく、年を区切るための記号として使われてきました。
丙午とは何か|Fire Horse という考え方
2026年が単なる午年ではなく、「丙午」と呼ばれる理由は、十干と十二支の組み合わせにあります。
- 十二支:12年周期(子・丑・寅・卯・辰・巳・午…)
- 十干:10年周期(甲・乙・丙・丁…)
この二つを組み合わせることで、60年で一巡する周期が生まれます。
10と12の最小公倍数が60であるためです。
この60年周期は、還暦の由来にもなっています。
丙午は、この60通りの組み合わせの一つです。
英語では、丙午はしばしば Fire Horse と説明されます。
より正確には、丙は「陽の火」を表すため、Yang Fire Horse と表現することもできます。
ここで重要なのは、Hinoe-Uma とローマ字で示すだけでは意味が伝わらないという点です。
Fire Horse という言い換えを用いることで、「要素(火)」と「動物(馬)」の組み合わせであることが、英語圏の読者にも直感的に理解しやすくなります。
丙午が特別視されてきた背景
日本では、丙午の年に特別な意味が与えられてきた歴史があります。
ときには、それが社会的な行動や意識に影響を与えたこともありました。
このような話題を英語で説明する場合、表現には慎重さが求められます。
断定的に superstition(迷信)と切り捨てるのではなく、文化的背景として扱う方が自然です。
たとえば、次のような言い回しが使えます。
- traditional belief(伝統的な考え方)
- folklore(民俗的な伝承)
- historically associated with certain beliefs(歴史的に特定の考えと結びついてきた)
英語では、「事実」と「信じられてきたこと」を分けて説明する姿勢が、とても重視されます。
英語でまとめて説明するなら
ここまでの内容を踏まえて、2026年の丙午を英語で一段落にまとめると、次のようになります。
The year 2026 is the Year of the Horse in the East Asian zodiac.
More specifically, it is known as the Fire Horse (Yang Fire Horse), a combination of an animal sign and an element in a traditional sixty-year cycle.
In Japanese culture, this year has historically been associated with particular traditional beliefs.
直訳ではなく、「どういう仕組みか」「どう受け取られてきたか」を説明している点がポイントです
干支を英語で語るということ
干支は、占いとして消費されがちです。
しかし、英語で説明しようとすると、それが時間を区切るための文化的な枠組みであることが見えてきます。
なお、英語で干支を尋ねるときには、次のような表現が一般的です。
- What is your Chinese zodiac sign?
このとき、相手が信じているかどうかよりも、「文化としてどう説明されているか」を意識すると、会話はより自然になります。
終わりに
干支を英語で説明することは、占いを信じるかどうかの話ではありません。
どのような考え方が、どのように語り継がれてきたのかを説明することです。
2026年の丙午は、その構造を英語で語るための、ちょうどよい題材です。
冬至と同じように、答えよりも仕組みに目を向ける。
そんな読み方ができるテーマだと言えるでしょう。
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