「グッド・フライデー」って、何が“グッド”なの?
イースターの直前の金曜日「グッド・フライデー(Good Friday)」は、英語圏でも学校や会社が休みになることが多く、カレンダーにも登場する日ですが、その意味や由来を詳しく知らない方も多いかもしれません。
この記事では、英語学習者さん向けに、グッド・フライデーの意味や歴史的背景、英語での言い回しについてやさしく紹介します。
グッド・フライデーとは?
グッド・フライデー(Good Friday)は、イエス・キリストが十字架にかけられた日を記念する日です。 その前夜には、弟子たちとの「最後の晩餐(The Last Supper)」がありました。 この食事の席で、イエスは裏切りを予告し、パンとぶどう酒を使って「これはわたしの体」「これはわたしの血」と語り、のちのキリスト教における聖餐(せいさん)の起源となったとされています。 キリスト教においては、最も神聖で重みのある日の一つとされ、「受難日(Passion)」とも呼ばれます。
この日、イエスは裏切りを受け、捕らえられ、裁かれ、十字架にかけられて命を落としました。
なぜ“グッド”なの?
「なぜこんな悲しい出来事を“グッド(良い)”と呼ぶの?」という疑問を持つ人も多いです。
「Good」には、「holy(神聖な)」や「pious(敬虔な)」という意味が含まれていたという説や、 「イエスが人類の罪をあがなった“良き日”」という信仰的な解釈から来ているといわれています。
つまり、「グッド」は「嬉しい」という意味ではなく、「神聖で大切な日」というニュアンスなのです。
教会ではどんなことをするの?
多くの教会では、静かな祈りの時間をもち、イエスの十字架上の最後の言葉(Last Words)を黙想する礼拝が行われます。 また、「十字架の道(The Stations of the Cross)」という14の場面をたどる祈りの儀式も行われます。
イギリスやカナダ、オーストラリアなどでは祝日とされており、学校や職場がお休みになることも多いです。
グッド・フライデーにまつわる英語表現
英語表現 | 意味・使い方 |
---|---|
Good Friday | グッド・フライデー。イエスが十字架にかけられた日 |
crucifixion | 十字架刑 |
sacrifice | 犠牲、いけにえ(イエスの死を表すキーワード) |
Passion | 受難。イエスの苦しみと死の出来事全体を指す言葉。通常は「情熱」という意味で使われるが、宗教的文脈では「苦しみ」という意味になる。語源はラテン語の “passio”(苦しむこと) |
the Stations of the Cross | 十字架の道。14の場面をたどる祈りの儀式 |
Last Words | 最後の言葉。十字架上のイエスの発言 |
redemption | 贖い。罪をあがなうこと |
英語補足コラム|crucify は今でも使われている?
英単語「crucifixion(十字架刑)」の動詞形「crucify」は、現代英語でも使われる単語です。もちろん宗教的な文脈で「イエスが十字架にかけられた」という意味でも使われますが、実はビジネスや日常会話でも比喩的な意味でよく登場します。
たとえば:
- “The media crucified the politician after the scandal.”(スキャンダルのあと、メディアはその政治家をボロクソに叩いた)
- “He was crucified by his boss in front of the team.”(彼は上司にチームの前でこっぴどく怒られた)
このように、「crucify」は「激しく非難する」「容赦なく責める」という意味でも使われており、現代英語でも出会う可能性の高い表現です。
まとめ|静けさの中に意味を感じる日
グッド・フライデーは、イースターの「復活」に対して、その前にある「死」と「苦しみ」を思い起こす日です。
英語学習としても、crucifixion や redemption など、宗教的で深みのある語彙を知ることで、ニュースや映画、文学の理解もぐっと深まります。
次回は、イースター当日についてやさしく解説します。