サンクスギビングってどんな日?
アメリカのドラマやSNSでよく見る “Thanksgiving(サンクスギビング)”。
でも、日本ではクリスマスほど馴染みがないため、いまいちイメージしにくい祝日かもしれません。
実はアメリカにとって、サンクスギビングは “家族が最も集まる日” と言われるほど特別。
多くの人にとってはクリスマス以上に「家族イベント色」が強く、空港も大渋滞になるほどです。
そしてこの背景には、アメリカという国ならではの事情があります。
アメリカは多民族国家。クリスチャン以外にも、ユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教…さまざまな宗教を持つ人が暮らし、異なる宗教同士で結婚することも珍しくありません。
そのため、「クリスマス=宗教的行事」という色合いが気になる家庭もあるんです。
・家族の中で宗教が違う
・パートナーが無宗教
・クリスマスを“祝わない”文化のバックグラウンドを持つ
そんな家庭も普通にあります。
だからこそ、宗教色の薄いサンクスギビングは、誰もが参加しやすい “ニュートラルな家族イベント” として愛されています。
この“みんなが同じ食卓につける日”という雰囲気こそ、アメリカ人にとってのサンクスギビングの魅力なんですね。
この記事では、サンクスギビングの意味・歴史・定番フード・よく使う英語表現まで、英語学習者に役立つポイントをわかりやすくまとめていきます。
■ サンクスギビングの基本:まずはここだけ押さえよう

● いつ祝うの?
アメリカでは 11月の第4木曜日 がサンクスギビングの日(サンクスギビングデー)。
毎年日付が変わるのは、この「第○木曜日」方式が理由です。
カナダでは少し早く、10月の第2月曜日。
アメリカと祝日が違うため、ニュースなどで混同しやすい点も、英語学習者として押さえておきたいポイントです。
● どんなことをする日?
ざっくり言うと、
家族や友人と食卓を囲み、1年の恵みに感謝する日。
宗教的というより文化的行事であり、
・親戚が遠くから帰省
・テーブルいっぱいの料理
・フットボールの試合
・パレード
・ブラックフライデーに備える人も…
こんな感じで、アメリカ中が “ホリデームード” に包まれます。

サンクスギビングの前日は全米で最も飛行機の値段が上がる日、最も多くの人が移動する日と言われています。
🦃 サンクスギビングの歴史:ロマンチックな物語だけでは語れない“多様な視点”

サンクスギビングというと、
「ピルグリムと先住民が仲良く食事をした平和な祝日」
というイメージがありますよね。
でも近年のアメリカでは、この物語を“そのまま信じるのは不正確” と考える人も増えています。
英語学習者としても、こうした歴史的背景を知っておくと、会話で「この人、分かってるな」と評価されるポイントになります。
ここでは“暗すぎず、でも事実として抑えておきたい部分”をわかりやすく紹介します。
■ 1. 「助け合いの食事会」はかなり単純化されたストーリー
一般的な説明では、
“先住民がピルグリムを助けて、収穫を一緒に祝った”
と語られますが、歴史的にはもっと複雑です。
・1621年の集まりは、実際には ピルグリム側の祝砲の音 を聞いたワンパノアグ族が“警戒して集まってきた”という説が有力。
・その後、外交的な理由もあって食事を共にしたが、純粋な「友好イベント」というより、政治的同盟 に近い性質がありました。
物語としては美しいけれど、歴史としてはもっと“リアル”。
■ 2. 1621年の出来事は「Thanksgiving」と呼ばれていない
これも誤解されやすいポイント。
ピルグリムの宗教観では、
Thanksgiving = 断食と祈りの儀式
つまり、現代のような「ごちそうの日」ではなかったんです。
1621年の食事会はあくまで Harvest Feast(収穫の宴)。
ピルグリムたちは自分たちの記録でも、それを「Thanksgiving」とは呼んでいません。
■ 3. その後の歴史は平和とは言えなかった
1621年の食事会のあと、
先住民と入植者の関係は悪化し、やがて キング・フィリップ戦争(1675–1676) が勃発。
ワンパノアグ族を含む多くの先住民が亡くなり、土地を奪われました。
そのため、
“Thanksgivingは、侵略の始まりの日だ”
と考える人々もいます。
特にマサチューセッツ州を中心に、現代も一部の先住民コミュニティは
National Day of Mourning(追悼の日)
としてこの日を過ごしています。
■ 4. 英語で“スマートに”言及する時の便利フレーズ
英語学習者がアメリカ文化を語るときに便利な言い回しもセットで紹介します。
- “The 1621 event was more of a harvest feast than a religious ‘Thanksgiving.’”
- “For many Native American communities, Thanksgiving is also a National Day of Mourning.”
- “Historians today are calling for a more nuanced and accurate understanding of the event.”
- “The alliance between the Pilgrims and the Wampanoag later gave way to conflict and land dispossession.”
言い切りすぎず、でもちゃんと知識がある
という絶妙なバランスのフレーズです。
■ Thanksgiving Dinner:英語で楽しむ定番メニュー

サンクスギビングといえば、この圧倒的 “食卓の存在感”。
● 定番フード
・Turkey(七面鳥)
・Stuffing / Dressing(詰め物)
・Gravy(肉汁ソース)
・Cranberry sauce(クランベリーソース)
・Mashed potatoes(マッシュポテト)
・Pumpkin pie / Apple pie(パイ類)
● 会話で使える英語フレーズ
・“Would you like some more turkey?”
・“This gravy is amazing!”
・“I’m so full but this pie is worth it.”
フード系のフレーズは、オンライン英会話でもすぐ使えるのでおすすめ。

おせち、と考えてもいいかも知れません。
家族親戚が集まるから大量のお料理を用意、次の日も残り物をぼちぼち食べる、と言った感じです。
中には次の日のターキーサンドイッチを楽しみにしている人も。
とりしまはインゲン豆が好物でした。
定番メニューにはそれぞれ家庭のツイストがはいって、それを食べ比べたりして面白いです。とりしまバージョンはハラペーニョ入りスパイシークランベリーソースです!
■ サンクスギビングでよく使う英語表現
● 家族同士の会話
・Happy Thanksgiving!
・I’m thankful for my family.
・Thanks for having me.(呼んでくれてありがとう)
・Let’s dig in!(さあ食べよう)
● SNSで使える短文
・Feeling grateful today.
・Family time.
・Giving thanks.
■ 世界にもサンクスギビングはある?
アメリカだけではありません。
カナダ、リベリア、ドイツ、オランダなどにも類似の収穫祭があります。
ただし、アメリカのThanksgivingほど国全体が盛り上がるスケールは珍しいため、「アメリカ文化の代表的イベント」として覚えておくと会話が広がります。
■ ブラックフライデーとの関係

サンクスギビング翌日の Black Friday は、アメリカ最大のセール日。
ショッピングモールが朝4時に開店したり、オンラインストアが深夜0時から賑わったり、まさに“お祭りの翌日のお祭り”。
さらに月曜には Cyber Monday。
英語学習者が海外のニュースやSNSを見る時、このセットで覚えておくと理解がスムーズです。
あわせて読みたい
ブラックフライデーとは?由来と内容を英語で学ぼう!
■ サンクスギビングの文化イベント
・Macy’s Thanksgiving Day Parade(巨大パレード)
・NFLの試合が恒例
・大学生が里帰りしやすい“ホリデートラベル”の大混雑
サンクスギビング関連ニュースは英語でも頻出です。

クリスマスをお祝いする家庭はこの週末にクリスマスツリーを切りに行ったり、飾り付けを始めたりします。
■ 英語で語れる「サンクスギビングのマナー」
・ホストにちょっとしたギフトを持参(Wine / Flowers など)
・料理をしっかり褒める
・“I’m thankful for…” の一言を共有する場合もある
宗教色が薄いからこそ、誰でも参加しやすい “ウォームな時間” が過ごせるのがポイント。
■ まとめ:英語学習者にとってのThanksgiving
サンクスギビングを知ると、
・海外ドラマのセリフの意味
・SNSの季節感
・アメリカ人との会話のきっかけ
・宗教と文化の違いへの理解
こういったポイントが一気に腑に落ちるようになります。
「英語を学ぶ=文化を知る」なので、Thanksgivingはまさにその入り口としてぴったりのテーマです。



