6月になるとSNSやニュースでよく見かける「Juneteenth」。アメリカのカレンダーにも載るようになってきましたが、実は日本ではまだあまり知られていません。
今回は英語学習者向けに、Juneteenthの意味・歴史・英語表現をしっかり学んでいきましょう。
Juneteenthとは?

Juneteenth is a holiday that commemorates the end of slavery in the United States.
(Juneteenthとは、アメリカで奴隷制度が終わったことを記念する祝日です。)
アメリカでは長い間、奴隷制度が存在していました。しかし1863年、当時の大統領エイブラハム・リンカーンが「奴隷解放宣言(Emancipation Proclamation)」を出し、奴隷制度の廃止を宣言します。
ただし、当時のアメリカはまだ内戦中(南北戦争)。宣言がすぐに全国に行き渡ったわけではありません。遠く離れた南部テキサス州のガルベストンでは、解放の知らせが届いたのが1865年6月19日。この日、アメリカ軍のグランジャー将軍が到着し、ついに奴隷制度の終結が伝えられました。
この日を記念して生まれたのが「Juneteenth(ジュンティーンス)」です。
Juneteenthという言葉の由来

「Juneteenth」という名前は、**June(6月)とNineteenth(19日)**を組み合わせた造語です。
👉 June + Nineteenth = Juneteenth
英語では、こうした造語を**ブレンディング(blending)**と呼びます。
例:
- brunch = breakfast + lunch
- smog = smoke + fog
英語学習者にも面白い語形成ルールですね!
英語で覚えたいJuneteenth関連単語
ここでは英語で覚えたいJuneteenth関連単語5つ紹介します。
英単語 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
commemorate | 記念する | Juneteenth commemorates the end of slavery. |
emancipation | 解放 | The Emancipation Proclamation declared the emancipation of slaves. |
slavery | 奴隷制度 | Slavery was a tragic part of American history. |
freedom | 自由 | The freed slaves celebrated their new freedom. |
federal holiday | 連邦の祝日 | Juneteenth became a federal holiday in 2021. |
最近Juneteenthを耳にする理由

実は、Juneteenthがアメリカで広く知られるようになったのはここ数年のことです。
もともとは、主に南部(特にテキサス州など)でアフリカ系アメリカ人コミュニティを中心に祝われてきました。しかし、アメリカ全体で大きく注目されるようになったのはごく最近です。
その背景には、2020年のブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)運動があります。この運動をきっかけに、アメリカ社会の人種問題や歴史に改めて関心が集まり、Juneteenthも大きく取り上げられるようになりました。
そして、2021年にはバイデン大統領が正式にJuneteenthを**連邦祝日(Federal Holiday)**として制定。これにより、全米で公的な祝日となり、企業や学校でも広く認識され始めています。
🇺🇸 ✊🏿 🎉 Juneteenth became a federal holiday in 2021.
ちなみに筆者自身も、2010年代までアメリカに住んでいた時は一度も耳にしたことがありませんでした。それほど最近になって一気に広がった祝日なのです。
Juneteenthの祝い方
現在のアメリカでは、Juneteenthは単なる歴史の日ではなく、文化的なイベントとしても広がっています。
- パレード(parades)
- 音楽イベント(music festivals)
- 家族や友人とのバーベキュー(barbecue parties)
- 歴史講演やドキュメンタリー視聴(educational programs)
また、赤い食べ物や飲み物(red foods & drinks)を用意するのも伝統の一つ。赤は「強さ・回復・犠牲」を象徴すると言われています。
映画やドラマで学ぶアメリカの奴隷制度とJuneteenthの背景

Juneteenthの背景をより深く理解したい方には、映画やドラマもおすすめです。英語のリスニング練習にもなり、歴史的背景への理解が深まります。
Roots(ルーツ)
- アフリカから奴隷として連れて来られたクンタ・キンテとその子孫たちの物語。
- 奴隷制度の残酷さと家族の絆を描いた名作。
12 Years a Slave(それでも夜は明ける)
- 自由黒人だった主人公が誘拐され、12年間奴隷として囚われた実話。
- アカデミー賞作品賞受賞。
Harriet(ハリエット)
- 奴隷制度廃止運動家・ハリエット・タブマンの生涯を描く。
The Help(ヘルプ)
- 1960年代南部での黒人メイドと白人家族の関係を描く。
- コメディタッチで描かれており、南部訛りの英語も学べる。
When They See Us
- 現代の人種問題を扱うNetflixオリジナル。Juneteenthの現代的な背景理解にも役立つ。
おまけのひとこと英作文
Happy Juneteenth! Let’s celebrate freedom and equality.
(ジュンティーンスおめでとう!自由と平等を祝おう。)
Juneteenthに関するクイズ
Juneteenthの理解度が深まったところで確認のクイズに挑戦してみましょう!
まとめ
Juneteenthは、アメリカの奴隷制度終結を記念する重要な祝日です。英語学習を進める中で、文化や歴史の背景を学ぶことは、言葉の理解をより深めてくれます。
今後、海外のニュースやSNSで「Happy Juneteenth!」という言葉を見かけたら、ぜひ今回学んだ内容を思い出してください。