「ねぇ、この間海外の友達と話していたんだけど、『もう寝るね』って言ったら ‘I’m going to bed’ って言われたんだ。‘I’m going to sleep’ じゃだめなのかな?」
「海外ドラマで、疲れて帰ってきた人が ‘I just want to sleep!’ って言ってるのを聞いたけど、これって ‘I just want to go to bed!’ とは違う意味なの?」
英語を学習している皆さんなら、一度はそんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか?「sleep」も「go to bed」も、日本語に訳せばどちらも「寝る」という意味になりますが、ネイティブスピーカーはこれらの単語を状況や伝えたいニュアンスによって使い分けています。
この記事では、英語学習者の皆さんが抱くそんな疑問を徹底的に解説します。日常会話や海外ドラマ・映画でよく使われるこれらの表現の違いを理解することで、より自然で正確な英語を話せるようになりますよ!
さあ、あなたも「sleep」と「go to bed」の奥深いニュアンスを探ってみましょう。
go to bedは「ベッドに行く」という動作

まず、「go to bed」が持つ一番大切な意味は「寝るためにベッドに行く」という動作そのものです。
「〜に行く」を意味する go が使われていることからもわかるように、これは物理的な行動を指します。つまり、まだ眠っているわけではなく、これから寝ようとベッドに向かう、またはベッドに入る瞬間を表すのです。
例文を見て、そのニュアンスをつかみましょう。
- I’m tired, I’m going to bed now.
- (もう疲れたから、今から寝るね。)
- → この後、ベッドに向かい、就寝する準備をすることを示しています。
- What time do you usually go to bed?
- (普段、何時に寝ますか?)
- → 相手の「就寝時間」や「ベッドに入る時間」を尋ねています。
- The kids went to bed an hour ago.
- (子供たちは1時間前に寝ました。)
- → 1時間前にベッドに入ったという事実を伝えています。もしかしたらまだ眠っていないかもしれません。
このように、「go to bed」は「もう寝る時間だよ」「ベッドに行くよ」といった、就寝の行動や準備について話すときに使われることが多いと覚えておきましょう。
sleepは「眠っている」という状態

次に、「sleep」が持つ意味は、「眠る」という状態そのものです。
「go to bed」がベッドに向かう行動を指すのに対し、「sleep」は実際に意識がなくなって眠っている状態や、睡眠の質や時間について話すときに使われます。
こちらも例文で具体的な使い方を見ていきましょう。
- I slept for 8 hours last night.
- (昨夜は8時間寝ました。)
- → 眠っていた時間について話しています。
- Did you sleep well?
- (よく眠れましたか?)
- → 眠りの質を尋ねています。
- The baby is sleeping soundly.
- (赤ちゃんがぐっすり眠っています。)
- → 今現在、赤ちゃんが眠っている状態を表現しています。
このように、「sleep」は「睡眠時間」「睡眠の質」「眠りの深さ」など、睡眠という「状態」に焦点を当てて使うのがポイントです。
go to bedとsleepの決定的な違い
ここまで、それぞれの基本的な意味を解説してきました。では、どう使い分ければいいのか、決定的な違いを表で比較してみましょう。
項目 | go to bed | sleep |
ニュアンス | 寝るための「行動」 | 眠っている「状態」 |
具体的な場面 | 「もう寝る時間だ」「ベッドに入ろう」 | 「ぐっすり眠れた」「睡眠時間が足りない」 |
例文の比較 | I’m going to bed now. (今からベッドに入るよ。) | I’m going to sleep now.(今から眠りにつくよ。) |
この表を見ると、一番大切なポイントは「行動」か「状態」か、という違いだと分かりますね。
例文を比較すると、この違いがよりはっきりします。
- I’m going to bed now.
- → 「今からベッドに行く」という物理的な動作を伝えています。もしかしたらベッドで本を読んだり、携帯をいじったりするかもしれません。まだ眠りについていない可能性があります。
- I’m going to sleep now.
- → 「今から眠りにつく」という、意識がなくなる状態に移行することを伝えています。
このように、相手に伝えたい内容が「ベッドに入る時間や行動」なのか、「実際に眠るという状態」なのかによって、使い分けるのがポイントです。
sleepを深掘りすれば理解度アップ!
ここまで、「go to bed」が「行動」、「sleep」が「状態」という大きな違いを解説してきましたが、「sleep」が意味する「眠っている状態」をさらに深く掘り下げることで、英語の表現力がぐっと広がります。
ここで、関連する3つの表現を一緒に見ていきましょう。
1. fall asleep
「fall asleep」は、「眠りに落ちる」「寝付く」という、意識がある状態から眠りに変わる瞬間を指します。「fall」(落ちる)という単語が使われていることから、自然と眠りに落ちる様子がイメージできますね。
- I fell asleep on the sofa while watching TV.
- (テレビを見ている間にソファーで寝落ちしてしまった。)
- I was so tired that I fell asleep as soon as my head hit the pillow.
- (とても疲れていたので、頭が枕についた瞬間に寝付いてしまった。)
このように、意図せず眠ってしまった場合など、眠りにつく「瞬間」を表すのにぴったりな表現です。
2. go to sleep
「go to sleep」も「眠りにつく」という意味で使われますが、「go to bed」よりも眠りそのものに焦点を当てた表現です。
「go to bed」が「ベッドに行く」という物理的な動作なら、「go to sleep」は「眠りの状態に向かう」というニュアンスです。特に子供に「もう寝る時間だよ」と伝えるときなどによく使われます。
- It’s time for you to go to sleep now.
- (もう寝る時間だよ。)
- He has a hard time going to sleep when he’s stressed.
- (彼はストレスを感じると、なかなか寝付けない。)
3. half asleep
最後に、誰もが経験する「寝ぼけてる」という状態を表す便利な表現も見ていきましょう。「half asleep」は文字通り「半分眠っている」という状態を意味します。
「sleep」は動詞として「眠る」を意味しますが、asleepは「眠っている」という状態を表す形容詞です。この点を意識すると、「half asleep(半分眠っている状態)」という表現もすんなり頭に入ってきますね。
- Sorry, I’m still half asleep.
- (ごめん、まだ寝ぼけてるんだ。)
- You look half asleep. Did you not sleep well?
- (寝ぼけてるみたいだけど、よく眠れなかったの?)
このように、まだ意識がはっきりしない状態を表すのにぴったりな表現です。
これらの表現は、それぞれ「sleep(眠っている状態、眠る)」という核となる意味に対して、異なるニュアンスや時間的な要素を加えています。
- fall asleep:「眠りの状態に落ちる」という瞬間
- go to sleep:「眠りの状態に向かう」という動作
- half asleep:「半分だけ眠っている」という状態の度合い
つまり、「sleep=眠っている状態」という理解があれば、これらの表現は「状態」に付随する「いつ(fall)」「どうやって(go)」「どのくらい(half)」を説明しているだけだと捉えることができます。

「sleepは眠っている、眠るという状態」がイメージできればこのような表現がなぜ成り立つかが理解できると思います。
まとめ:これであなたもネイティブ感覚!
お疲れ様でした!「go to bed」と「sleep」の違い、しっかり理解できましたか?最後に、この2つの単語と関連表現のポイントをもう一度おさらいしましょう。
- go to bed:これから寝るためにベッドへ行くという「動作」
- sleep:実際に意識がなく、眠っているという「状態」
- fall asleep:眠りに落ちる、寝付くという「瞬間」
この違いを意識するだけで、あなたの英語はぐっとネイティブに近づきます。「もう寝るね」と伝えるときには、単に眠いだけでなく「そろそろベッドに行くよ」というニュアンスを込めて「I’m going to bed.」を使ってみましょう。
海外ドラマや洋画を見るとき、そしてネイティブとの会話でも、ぜひ「go to bed」と「sleep」がどのように使われているか、意識して聞いてみてください。きっと新しい発見があるはずですよ!