あのヒアリングマラソン、終わったと思ってませんか?
「1000時間ヒアリングマラソン」。
この耳馴染みのある響きに、英語学習の日々を重ねた方は少なくないでしょう。多くの日本人英語学習者が、そのメソッドでリスニング力を鍛え上げた、アルクを代表するあの講座です。
しかし、数年前、通信講座としての役目を終え、販売が休止された際には「もうあの教材で学べないのか…」と肩を落とした人もいたかもしれません。
中には、「そういえば、以前はアルクのアプリboocoで『ヒアリングマラソンモード』があったはずなのに、今、boocoのページを見たら使えないって書いてある…一体どうなってるんだ!?」と、現状に混乱している方もいるのではないでしょうか?
ご安心ください。実は、あのアルクの1000時間ヒアリングマラソンが、形を変えて再誕しました。それも、現代の学習スタイルに完璧にフィットする「スマホアプリ」として、私たちのもとに帰ってきたのです。
この記事では、まず「1000時間ヒアリングマラソン」がどんな講座だったのかを振り返り、なぜ一度は「終わった」のか、そしてboocoでの提供を経て、なぜ今、独立したアプリとして生まれ変わったのか、その背景と新旧アプリの徹底比較を解説していきます。あなたの英語学習を再び加速させるヒントが、きっと見つかるはずです。
1. 「1000時間ヒアリングマラソン」とは何だったのか?(通信講座版の振り返り)
「1000時間ヒアリングマラソン」が、なぜこれほど多くの英語学習者に愛され、伝説的な存在となったのか。
その原点は、1982年に開講したアルクの通信講座にあります。当時は、紙のテキストとカセットテープ(後にCD)が毎月自宅に届くスタイルで、多くの学習者がその到着を心待ちにしていました。
その学習メソッドの核にあったのは、何よりも「1000時間」という圧倒的な目標設定です。ただ漠然と英語を学ぶのではなく、「1000時間、生の英語に触れ続ける」という明確なゴールが、学習者のモチベーションを強く後押ししました。
多くの受講者が魅了されたのは、そのコンテンツの質と多様性でした。ニュース、インタビュー、映画、ドラマ、日常会話など、多岐にわたるジャンルの「生の英語」が厳選され、毎月提供されました。
アルクの看板雑誌『ENGLISH JOURNAL』との連携も深く、時事的な話題から文化的な情報まで、幅広いテーマで英語に触れることができたのは、この講座の大きな醍醐味でしたね。
そして、ただ聞き流すだけではない、多聴(量をたくさん聞く)と精聴(細部まで聞き込む)のバランスが取れた学習メソッドも特徴的でした。スクリプトを見ながら徹底的に聞き込んだり、ディクテーションやシャドーイングに取り組んだりすることで、音と意味の繋がりを深く理解し、実践的なリスニング力を養うことができました。
毎月届く教材を開く瞬間は、まさに新しい英語の世界への扉を開くようなワクワク感がありました。学習時間を手書きで記録し、着実に目標に近づいていく感覚は、多くの学習者にとってかけがえのない体験だったことでしょう。「1000時間ヒアリングマラソン」は、単なる教材ではなく、英語学習の「相棒」のような存在だったのです。
2. なぜ「終わった」のか?通信講座終了の背景と、boocoへの「一時的な移行」
多くの英語学習者に愛された「1000時間ヒアリングマラソン」の通信講座。しかし、その長きにわたる歴史は、2023年1月号の発行をもって販売休止という形で、一旦の幕を閉じました。この突然の知らせに、多くの元受講者が驚き、「なぜ終わってしまったのだろう?」と残念に思ったことでしょう。
その背景にあったのは、時代の大きな変化です。当時、日本国内の通信講座市場は縮小傾向にあり、学習者のニーズは紙媒体やCDから、より手軽でインタラクティブなデジタル学習へと急速に移行していました。アルクもまた、こうした学習環境の変化に柔軟に対応する必要がありました。
通信講座の終了後、アルクは「1000時間ヒアリングマラソン」のメソッドの火を消すことなく、デジタルでその価値を提供する方法を模索します。その一つが、アルクの総合英語学習アプリ「booco」内に設けられた「ヒアリングマラソンモード」でした。
この「booco」での提供は、かつての通信講座のコンテンツの一部をデジタルで体験できる、いわば過渡期的な位置づけでした。
これにより、学習者は手元のスマートフォンで、あのヒアリングマラソンの学習に再び触れることができるようになりました。
これは、デジタル化への一歩であり、メソッドが途絶えることなく継承されるための重要な期間だったと言えるでしょう。
しかし、「booco」はアルクの様々な書籍コンテンツを網羅する総合アプリです。その中で「ヒアリングマラソンモード」はあくまで多くのコンテンツの一つであり、リスニング学習に特化した体験を追求するには限界もありました。
3. そして「再誕」へ!「1000時間ヒアリングマラソン」アプリ、boocoから独立した真意
通信講座の終了、そしてboocoアプリ内での「ヒアリングマラソンモード」としての後継提供を経て、「1000時間ヒアリングマラソン」は新たなステージへと進みました。 それが、2025年5月17日に法人向け先行リリースを経て一般向けに登場した、独立した専用アプリとしての「1000時間ヒアリングマラソン」です。

では、なぜアルクはboocoという既存の総合学習アプリの中から「ヒアリングマラソンモード」を「切り離し」、あえて独立したアプリとしてリリースしたのでしょうか?
その背景には、アルクの「リスニング学習への徹底的なこだわり」と、「究極の学習体験を提供したい」という強い真意がありました。
- リスニング学習への徹底的な特化:
boocoは確かに便利な総合アプリでしたが、その多様性ゆえに、リスニング学習に特化した細やかな機能や、最適なユーザーインターフェース(UI)を追求するには限界がありました。
独立アプリにすることで、リスニングに最も効果的な機能や、集中を妨げないデザインを徹底的に追求し、リスニング特化型アプリの究極形を目指すことが可能になったのです。
- より深い学習体験と機能の追求:
独立アプリとなったことで、アルクは「1000時間ヒアリングマラソン」独自の機能強化に注力できるようになりました。
AIを活用した音声判定機能によるアウトプットの評価や、より詳細な学習管理機能、そして毎週更新される専用の多彩なコンテンツなど、boocoの「ヒアリングマラソンモード」では提供しきれなかった、専門性の高い学習体験が可能になりました。
- メソッドへの絶対的な自信:
「1000時間ヒアリングマラソン」メソッドは、長年にわたり多くの学習者のリスニング力を劇的に向上させてきました。
この確立されたメソッドを、単なる既存アプリの「モード」の一つとしてではなく、その価値を最大限に引き出す唯一無二の学習ツールとして、改めて世に送り出したかったというアルクの強い意志が感じられます。
つまり、独立アプリとしての「1000時間ヒアリングマラソン」は、boocoの代わりというよりも、そのメソッドを現代の学習スタイルに最適化し、さらに進化させた**真の「後継」**であり、リスニング学習における新たなフラッグシップと言えるでしょう。
4. 進化した学習体験!旧版・boocoモードとアプリ版の徹底比較
「通信講座が終了して、boocoに変わった…と思ったら、今度は独立アプリに?」と、これまでの変遷に戸惑っていた方もいるかもしれません。
しかし、この進化は、あなたのリスニング学習にとって大きな飛躍となるものです。
ここでは、旧通信講座版、boocoのヒアリングマラソンモード、そして再誕したアプリ版が、具体的にどう違うのかを徹底的に比較してみましょう。
【徹底比較】「1000時間ヒアリングマラソン」の新旧・各形態
旧通信講座版(紙・CD) | boocoアプリ「ヒアリングマラソンモード」(一時的後継) | 新「1000時間ヒアリングマラソン」アプリ(真の後継) | |
教材形態 | 毎月届くテキストとCD | boocoアプリ内のコンテンツとして提供 | スマホ・タブレット専用の独立アプリ |
学習場所・利便性 | 自宅など、教材を持ち運べる場所に限られる | スマホでどこでも学習可能。boocoの他コンテンツと併用 | スマホ一つでどこでも、リスニングに特化して集中学習可能 |
音声再生 | CDプレーヤーやPCが必要、CDの入れ替えが手間 | アプリ内で再生、手間いらず | アプリ内でスムーズ再生、ダウンロードも可能 |
アウトプット練習 | ディクテーション、シャドーイング(自己評価) | 一部機能あり、自己評価が中心 | シャドーイング、ディクテーション、同時通訳練習など豊富。AI音声判定機能付き |
学習管理・記録 | 手書きでの記録が基本、自己管理に依存 | アプリ内で自動記録。booco全体の学習時間として管理 | 1000時間への自動記録・進捗管理。ランキング機能でモチベーションUP |
コンテンツの種類・更新 | 毎月固定の多様なジャンル。EJ連携 | 既存コンテンツの一部を提供 | 毎週更新!ニュース、ドラマ、クロストークなど「生の英語」を厳選 |
力試し機能 | 一部テストあり | なし(boocoの他機能に依存) | HEMHET、ディクテーション・コンテストを定期開催 |
AIテクノロジー | なし | なし | AI音声判定機能(スピーキングなど) |
新アプリで飛躍的に進化したポイント
この比較表からもわかるように、新アプリは単なるデジタル化の代わりではありません。かつての通信講座の核となるメソッドはそのままに、現代のテクノロジーと学習ニーズに合わせて、**あらゆる面で最適化された「真の後継」**と言えます。
新アプリは、まさに旧「1000時間ヒアリングマラソン」が目指した「リスニングを通じた真の英語力習得」を、現代において最も効果的かつ効率的に実現するための最適な学習ツールと言えるでしょう。
5. 【旧boocoユーザー向け】新アプリ移行に関するよくある質問(Q&A)

boocoアプリで「ヒアリングマラソンモード」を利用されていた方にとっては、「新しいアプリにどうやって移行すればいいの?」「今まで積み上げてきた学習データはどうなる?」といった具体的な疑問や不安があることでしょう。アルクの公式サポートページで公開されている情報に基づき、これらの質問にお答えします。
- Qboocoから切り離されたら、ヒアリングマラソンモードは使えなくなるの?
- A
はい、2025年5月17日に独立アプリとしてリリースされた「1000時間ヒアリングマラソン」の登場に伴い、boocoアプリ内の「ヒアリングマラソンモード」の提供は終了しました。 今後は、新「1000時間ヒアリングマラソン」アプリを利用する形になります。
- Qboocoアプリのデータを移行したのに、ヒアリングマラソンモードが表示される場合は、どうすればよいですか?
- A
まずはboocoアプリのアップデートをお試しください。 それでもモードが表示される場合は、アプリの再起動やキャッシュクリア、またはスマートフォンの再起動を試してみてください。解決しない場合は、boocoサポートページをご確認いただくか、直接アルクにお問い合わせください。
- Qbooco Plusですでに契約している期間はどうなりますか?
- A
「booco Plus」と「1000時間ヒアリングマラソン」アプリは別のサービスであり、ご契約は自動で引き継がれません。 booco Plusの契約期間が残っていても、新「1000時間ヒアリングマラソン」アプリを利用するには別途申し込みが必要です。booco Plusのご契約はそのまま継続し、他のboocoコンテンツを引き続き利用できます。
- Qヒアリングマラソンモードの学習データ移行はいつまで可能ですか?
- A
学習データ移行の期限は、 2025年6月30日 までと設定されています。大切な学習記録ですので、必ずこの期限までにboocoアプリ内からのデータ移行手続きを行ってください。期限を過ぎると移行できなくなる可能性があります。
- Q1000時間ヒアリングマラソンアプリは無料でダウンロードできますか?
- A
はい、アプリのダウンロード自体はApp StoreおよびGoogle Playから無料で可能です。しかし、アプリ内の全てのコンテンツを利用するには、「3か月プラン」または「12か月プラン」のいずれかの有料プランへの申し込みが必要となります。初回限定で7日間の無料体験が利用できますので、まずは試してみるのが良いでしょう。
- Qboocoでの学習時間を1000時間ヒアリングマラソンアプリでも確認できますか?
- A
はい、boocoのヒアリングマラソンモードで学習した時間は、新しい「1000時間ヒアリングマラソン」アプリに移行できます。 移行が完了すれば、これまでの学習時間も新しいアプリでまとめて確認できます。
- Qbooco Plus会員です。ヒアリングマラソンアプリもこれまでboocoで使用していたように使えますか?
- A
いいえ、booco Plus会員であっても、新「1000時間ヒアリングマラソン」アプリを利用するには別途契約が必要です。 前述の無料体験や有料プランをご検討ください。booco Plusのご契約とは独立したサービスとなります。
- Qboocoからの学習時間の移行方法について教えてください。
- A
boocoアプリ内の「ヒアリングマラソンモード」にアクセスし、表示される案内に従って操作することで、学習時間の移行が可能です。詳細な手順はboocoのサポートページで詳しく解説されていますので、そちらをご参照ください。
6. あなたの英語学習、boocoと「1000時間ヒアリングマラソン」どちらを選ぶ?

アルクの学習アプリには、それぞれ異なる強みと最適な利用シーンがあります。あなたの学習目的やスタイルに合わせて、どちらのアプリがより効果的かを見極めましょう。
こんな人は「1000時間ヒアリングマラソン」アプリがおすすめ!
こんな人は「booco」アプリがおすすめ!
まとめ:あなたのリスニング学習は、再び「1000時間ヒアリングマラソン」で加速する!
かつての「1000時間ヒアリングマラソン」は、私たち英語学習者の良き相棒でした。そして今、その相棒が最新のテクノロジーを身につけ、より頼もしくなって再誕しました。
通信講座の終了、そしてboocoでの一時的な提供を経て、ついにリスニング学習の最適解として独立した新アプリは、きっとあなたの英語学習に再び火をつけてくれるはずです。
あの頃の感動を、もう一度。そして、今度こそ1000時間の壁を乗り越えてみませんか?究極の英語学習アプリ「1000時間ヒアリングマラソン」で、リスニング力を基盤とした真の英語力を手に入れてみませんか?