こんなご相談いただきました。
オンライン英会話でフィリピン人講師の英語はほぼわかるのですが、ネイティブスピーカーとレッスンをやると全くわかりません。
どうしたらいいですか?
長い間オンライン英会話をしていたら余計にショックですね、これ。
「この人の英語ならわかるのにあの人のはわからない」ということはよくあります。
この記事ではこの質問者さんのようにフィリピン人講師はわかるけどネイティブはダメ、という時一体何が起こっているのか、そしてそれを解決する方法を管理人の体験を交えて解説。
結論としては、フィリピン人講師はゆっくりしゃべってくれている、もしくはゆっくりしかしゃべれない、ということ。
それは「速く喋れないから英語がわかっていない、英語力が低い」という意味では決してないので、注意してください。
フィリピン講師は「教える」ためにしゃべっている
聞き取りやすい正確な発音を常に心がけている
オンライン英会話のたいていのフィリピン人講師は優秀な人が多く、発音も綺麗です。
彼らはそのように訓練されていますし、そうでないと講師として教えていないだろうと思うのです。
ですから受講者さんのために綺麗な発音をしてくれているんですよ。
無理のないスピード
英会話レッスンはお仕置きでもいじめでもないのでゆっくり話してくれています。
実際ゆっくりしか話せない、のかもしれません。
速くしゃべりたくないのかもしれません。
彼らにとって英語は公用語ですが、母語ではありません。ですからバイリンガルとはいえスピードが落ちるのは否めないと言ってもいいでしょう。
受講者のレベルに寄り添っている
初心者さんに対していきなり通常のスピードで長いセンテンスを使ってしゃべっても、意味がないのをわかっています。
レベル1にはレベル1、レベル4にはレベル4と調節してくれているんです。
ネイティブにとっては英語は母語
英語講師でない限り手加減なし
言うまでもなく、ネイティブにとって英語は母語なのでスラスラ喋れて当たり前なんですね。
でも、オンライン英会話のネイティブ講師も実は手加減をしています。
例えば、YouTubeで英語学習系のチャンネルを持っているネイティブのスピードはめちゃくちゃ遅いですし、丁寧にはっきりとしゃべっています。
ここでも学習者に寄り添っていることが伺えますね。
けれど一度外(英語学習空間)から出ると、ゴルフでいうところのハンディはなし。
ですからオンライン英会話後、実際留学などをして玉砕してしまう、ということが起こってしまうのです。
とりしまの空港でのイミグレがいい例です。
ネイティブゆえに出るアクセント(訛り)
日本語の「〇〇弁」のように英語にも訛りがあります。
大きくは国によって分けられることができますが、国の中でも「〇〇弁」があるので、ネイティブスピーカーだとそのようにしゃべるのです。
加えて、ネイティブが全員滑舌の良い発音をしているわけではないのです。
少し舌足らずだったり、ささやき系だったり、みんながみんな映画俳優のようにしゃべるのではないのです。
俳優さんは基本発声や発音トレーニングなどをしているので比較的聞き取りやすいと思います(ボソボソ喋る役だったら別です)。
けれど一般人は普通にしゃべっていることから一般人の英語が聞き取れない、という事態が起こり得るのです。
管理人の経験
とりしまは学生時代英語を勉強して渡米。
リスニングは得意な方ではなかったのでかなり苦しみました。
渡米前にもっとしっかりリスニングを強化しておけばよかったな、と今思います。
聴解が弱いと本当に辛いです。
学生時代
- そこそこできた
- 英検などの試験英語も取得
- スピーチコンテストにも出場経験有り
渡米後
- 渡米直後空港のイミグレで泣く
全くわからなかった
- ESL時代ESLの先生の言うことがなんとなくわかった
苦手意識を取っ払うのに時間がかかった
ルーティン的なものから聞き取れるようになった
授業中に見せられたSitcomは全然わからなかった
ディクテーションが4割程度しかできなかった
非ネイティブのクラスメイトの英語はわかった - 渡米2年後アメリカの某専門学校に行った時、教科書の予習復習は欠かさなかった
講師の言っていることは予習をしていればついていけたが、クラスメイト(全員アメリカ人)とはなかなか談笑ができなかった
ゆっくりしゃべってくれたらなんとかなった
テレビの言っていることがもやーっとしかわからなかった - 渡米3年後ネイティブスピーカーしかいない環境に就職する
優しい職場に助けられたが、理解度は100%ではなかった
日常会話には問題はなかったが、聞き取りやすい人とそうでない人はいた - 渡米5年後映画の細かいところまでわかるようになった
映画館で映画のストーリーが問題なく掴めるようになった
- 渡米9年後転職、退職、起業を経験する頃には全く問題なくなった
日常会話、仕事でのタスク、起業してからの取引先との交渉ごとなど問題なくできるようになった
- 現在在米20年に終止符を打って6年経っても問題なし
忘れないようにキープアップはしている
渡米後は特に教材は使うことなく、日常で聴く英語で耳を鍛えていました。
以前少しテレビやラジオを「聞き流し」ていましたが、全く効果を感じずじまい。
振り返って、あれかな?と思うのはテレビを英語の字幕付きで見ていたことです。
あれで少しずつ脱落、連結、同化を目と耳からで養っていったんだな、と思いました。
現在
アメリカを離れて6年が経とうとしていますが、全く問題はありません。
もちろんキープアップはしていますよ(映画を見たり、知り合いと話したり、など)。
第三外国語を学習中なので、現在英語学習をしている人の気持ちはよくわかります。
ここでのリスニングのソースは主に現地の人とテレビです。
対策
ネイティブスピーカーと話すのが目標ならネイティブスピーカーとレッスンする
目標が留学やネイティブスピーカーとの会話(仕事も含め)で、今は非ネイティブ講師としかレッスンをしていないのなら、少しずつでもいいので講師をネイティブにシフトすることをお勧めします。
お伝えしたとおり、国によって訛りがあるので、もし国がわかればその国の出身の講師とレッスンをするのがベストです。
リスニングの教材も然り。これに関しては難しいとは思いますが努力してみてください。
例えば、イギリス人と話したい、留学したいのにずっとアメリカ英語で学習していると慣れるのに難儀になるでしょう。
とりしまの知り合いのアメリカ人でさえ、BBCドラマをみる時字幕をつける人がいます。
それだけ違うんですよ。
金銭的に無理なら教材ではなく映画、ドラマなどを教材ではないものを活用する
ネイティブスピーカーにアップグレードやネイティブとのレッスンは価格設定が高く設けられています。
やってみたいけど、ずっとはキツいなぁと思う人は、「教材ではないもの」で耳を訓練してみるのも良いでしょう。
教材もやっぱり綺麗に発音してくれているからです。
ですから英語学習系のYouTubeやPodcastも少しずつ卒業を視野に入れましょう。
(これをリスニング教材にしない、という意味。ボキャブラリーや文法の学習などには大いに活用してください)
聞き取れないものはスクリプトのあるものを選んで目と耳とで理解していくと文字と音が結びついてくると思います。
よくニュースやTEDのような「会話」でないものを集中的に聞く人もいると思いますが、もちろん良いのですが、「会話術」も学べる会話、対話なども取り入れてみると、あいづちなども学べます。
いつかTEDを見て「この人プレゼン下手くそやなー」と思う日が来るといいですね!
やっぱりわからない、と思ったら教材や早くしゃべれる非ネイティブとのレッスンに戻ればいいだけ。
英語学習にこのようなやり直しはつきもの。
非効率と思うかもしれませんが、全てが効率よく進んでいたらおそらくこの記事を読んでいないはずです。
いっそのこと割り切る
フィリピン人講師と喋れればいい、と割り切るのも一案です。
ネイティブと会話をしたいのが目的ではなく、「英語を話す」が目的なら十分に目標達成しているからいいと思います。
その中でもいろんな人とおしゃべりして切磋琢磨すると良いでしょう。
まとめ
今回はオンライン英会話でフィリピン講師は聞き取れるのにネイティブスピーカーは全然聞き取れない、というご相談を受けて、とりしまなりに回答してみました。
英語講師はどうしても受講生に寄り添うのでスピードが遅くなったり、優しいボキャブラリーを使ったり、はっきりと聞き取りやすく発音してしまうのです。
とりしまはとても時間がかかったので、このお悩み相談を受けた時「わかる!」と共感しました。
自分もそうだったからです。
ご覧の通り、とりしまの道のりも容易なものではありませんでした。
けれどなんとなくある時を境にスーッと理解できるようになったのを覚えています。(これはとりしまのパターンであって、誰しもこうなるよとは限りません)
こうすればいいよ!という具体的解決策がピンポイントにお伝えできないのは、こればかりは人それぞれだからです。
皆さんも試行錯誤してください。
でも、方法ばかり探して肝心のリスニングに時間を当てないのは残念なので、この辺りでリスニングをしてみてはどうでしょう?
頑張ってください。
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