USCPAの選択科目として注目されがちなISC(Information Systems and Controls)。
IT経験者にとって相性が良い科目であることは確かですが、だからといってすべての人にとって最適な選択肢とは限りません。
「USCPAのISCはやめとけ」
そんな言葉を検索して、この記事にたどり着いた方もいるでしょう。
ただ、ISCが本当に「やめるべき科目」かどうかは、
誰にとって、どんな前提で考えるかによって結論が変わります。
選択科目は「合格しやすそう」「今っぽい」といった理由だけで決めてしまうと、
あとから「思っていたのと違った」と感じやすいポイントでもあります。
この記事では、ISCを否定するのではなく、
「どういう人には向きにくいか」を思考タイプとキャリアの視点から整理します。
すでにISCを前向きに検討している方も、一度立ち止まって確認する材料として読んでみてください。
ISCは「万人向け」の科目ではない
最初に大前提としてお伝えしたいのは、
ISCは「簡単な科目」でも「誰にでもおすすめできる科目」でもない、という点です。
ISCは、
- IT統制
- システムリスク
- ガバナンス・内部統制
といったテーマを、会計・監査の文脈で扱います。
この領域に興味や親和性がある人にとっては合理的ですが、
そうでない場合は、学習そのものがストレスになりやすい側面もあります。
では、どのような人がISCと相性が合いにくいのでしょうか。
① 計算や数値処理が一番楽しい人
意外に思われるかもしれませんが、
「計算問題を解いている時間が一番楽しい」というタイプの人は、ISCに物足りなさを感じやすい傾向があります。
ISCの試験では、
- 計算問題はほとんど出題されません
- 正解が一つに見えにくい設問が多くなります
問われるのは、
「この状況で最もリスクが高いのはどれか」
「どの統制が最も妥当か」
といった判断型の問題です。
数式を使ってスッキリ答えが出る問題が好きな人ほど、
「どれも正解に見える」「決め手が分からない」と感じやすくなります。
このタイプの方は、
管理会計や分析寄りの思考が求められる BAR の方が、
学習時のストレスが少ない可能性があります。
② IT用語やフレームワークの暗記に強い抵抗がある人
ISCは、計算問題が少ない代わりに、
用語・枠組み・考え方を正確に理解しているかが問われます。
具体的には、
- IT統制に関する用語
- SOCレポートや内部統制の枠組み
- セキュリティやガバナンスの考え方
などを、英語で理解する必要があります。
もちろん、単なる丸暗記だけでは通用しませんが、
「一定量の用語を覚える作業」を避けて通ることはできません。
そのため、
- 英語用語の暗記が極端に苦手
- 「理屈が完全に腹落ちしないと覚えられない」
- 規格やルールをそのまま受け入れる学習が苦痛
という方は、ISCの学習にストレスを感じやすくなります。
③ ITやシステムの話に根本的な関心が持てない人
ISCは「ITセキュリティ資格」ではありませんが、
ITやシステムの話題が頻繁に登場する科目です。
- アクセス管理
- 変更管理
- データの完全性
- システム障害時の対応
こうしたテーマについて、
考えること自体に興味が持てない場合、
学習が作業的になりやすく、理解も浅くなります。
「苦手」というよりも、
「関心が湧かない」という感覚があるなら、
無理にISCを選ぶ必要はありません。
④ ITセキュリティの“実装側”になりたい人
ISCについて誤解されやすい点として、
「ITセキュリティの専門職になれるのでは?」という期待があります。
しかし、ISCで求められるのは、
- セキュリティを設計・実装する力
- インフラやコードを扱うスキル
ではありません。
ISCはあくまで、
ITを評価し、説明し、統制の観点から判断する立場の科目です。
そのため、
- セキュリティエンジニアとして専門性を深めたい
- 技術的なスキルを磨き続けたい
というキャリア志向の方には、
別の資格や学習ルートの方が適している場合があります。
⑤ キャリアがIT・統制とほとんど交わらない人
選択科目は、将来のキャリアとの相性も重要です。
たとえば、
- 税務の専門家としてキャリアを築きたい
- 会計実務や財務分析を深めたい
- M&Aやファイナンス寄りの業務に集中したい
といった方向性が明確な場合、
ISCで学ぶIT統制の知識を実務で使う場面は多くありません。
この場合は、
- 税務寄りなら TCP
- 会計・分析寄りなら BAR
といった科目の方が、
キャリアの延長線として自然です。
ISCを選ぶ前に確認したいチェックポイント
最後に、簡単なセルフチェックです。
- ITやシステムの話を考えること自体は嫌いではない
- 実装より「評価・説明する立場」に興味がある
- 数値処理より判断型の問題でも抵抗がない
- 将来、監査・ガバナンス・内部統制に関わる可能性がある
これらに Yesが多い 場合、ISCは検討に値します。
Noが多い 場合は、他の選択科目を冷静に見直した方が安心です。
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まとめ:ISCは「相性」がはっきり出る科目
ISCは、
向いている人にとっては非常に合理的な選択肢ですが、
向いていない人が無理に選ぶ必要はありません。
選択科目は、
- 合格率
- 流行
- 周囲の評判
よりも、
自分の思考タイプとキャリアの延長線で選ぶ方が、
結果的に後悔が少なくなります。
もしまだ迷っているなら、
「ISCが向いている人」の整理をした記事とあわせて、
両方を比較した上で判断するのがおすすめです。


