映画の名台詞は意外と会話の中で「表現法」の1つとして地位を確立しています。
この記事では名作「オズの魔法使い」から生まれたフレーズを紹介、解説。
これを知らない大人のアメリカ人はいないのではないかな、と思いますし、意味を知っているとコミュニケーションがある意味深まるのではないかと思います。
本来の意味
直訳は「私たちはもうカンザスにはいない」
カンザスとは米国カンザス州のことです。
映画のマスターピース「オズの魔法使い」から
1939年に公開された映画「Wizard of Oz (オズの魔法使い)」で主人Dorothy(ドロシー)と愛犬Toto(トト)が竜巻に巻き込まれて不思議な国オズに飛ばされた後、辺りを見回して、
Toto, I’ve a feeling we’re not in Kansas anymore. (もうカンザスにいるんじゃないみたい)
と呟きます。
現代の使われ方
カンザスで生まれ育ったドロシーにとって、「カンザス」は自分にとって慣れ親しんだ安心の場所、いわゆる「comfort zone」。
映画ではカンザスからオズにやってきた、という風に文字通りにも受け取れますが、この名台詞は現在も映画、日常会話にもよく使われています。
状況によってポジティブにもネガティブにも
新しい場所や新しいことに飛び込んで周りを見渡してワクワクする時に使ったり(もちろん主語を変えます)、逆に状況が知らないことばかりで右往左往してしまっている時にも使われます。
仕事場などで
You are not in Kansas anymore.
と言われてしまったら、「慣れ親しんだことばかりやってる場合じゃないよ」とか「新しい環境に慣れな」という意味にもなりますし、プロジェクトなどが新しい境地に入った時に漠然と使われることも。
基本にある概念は「慣れ親しんだものや普通だと思っていたものから抜け出し、新しくむずい環境に突入した」ということ。
口調や状況に応じて厳しめに取れたり、励ましに取れたりするので要注意です。
- 厳しめ → 新境地に足を踏み入れているのだからさっさと慣れろ、もっと自分の「小ささ」に気づいて適応しろ
- 励まし → 新境地に足を踏み入れて大変だろうけど、頑張ってやれ。
こういうフレーズに対して「カジュアルですか?」とか「悪い意味?」とか質問されますが、
状況によります。
中上級者さんはネイティブスピーカーの使い方に耳を傾けてどのように使われているか分析してみましょう。
そして実際にアウトプットしてみて、ネイティブにクスッと笑われたら間違った使い方だったという判定を素直に受け取り、改善していくと真の会話力がついていくと思います。
フレーズは名詞のように白黒つかない要素が含まれるのを覚えておきましょう。
まとめ
今回は少し厳しめバージョンの意味合いで紹介しましたが、もちろん映画のように全く新しい境地に足を踏み入れてワクワクする時のも使われますよ。
このようなフレーズは文化を知っていると「そういうことか」と腑に落ちることがよくあります。
真に言語を理解するには言葉だけでなく背景にある文化や歴史についても知ってみるのもいいでしょう。
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