SayWow(セイワオ)は、英語を実際に使いながら学ぶ“クエスト式トレーニング”が特徴のAI英会話アプリです。
クエスト(テーマ)を選んだら、まずはテンプレートの例文を見ながら発音を練習。
そのあとで、テンプレを参考にしながら、自分の言葉でストーリーに沿ったタスクをこなしていくという流れになっています。
テンプレをそのまま使ってもOK、もちろんアレンジしても大丈夫です。
今回はその中でももっとも簡単とされるレベル1のクエストを試してみました。
「初心者向け」って本当ですか?SayWow(セイワオ)さん。

センテンスが稚拙すぎたら添削が入ります
正直、最初は軽いロールプレイだと思っていました。
テンプレートのフレーズをポンと出して、3つのゴール(タスク)をこなせばOK、そんなイメージです。
しかし、実際にプレイしてみると…完全に予想が外れました。
レベル1とはいえ、**本当に初心者でも大丈夫?**という問いには、正直「基礎ができていないと厳しいかもしれません」と答えます。
特に求められるのは、疑問詞を使った文の組み立てや、シンプルでも文法の通った会話力です。
たとえば「Did laundry.」のような単語の羅列では、ゴール(タスク)を達成するのは難しいでしょう。

「Did laundry.」のような単語の羅列では、ゴール(タスク)を達成するのは難しいでしょう。
は言い過ぎかもしれませんが、添削が入るのは必至です。
相手のAIの様に速く喋る必要はなく、ゆっくり考えながら喋っても大丈夫です。
でもゆっくり過ぎたらAIが変なところでセンテンスを切り替えてしまい、添削が入ります。
実際、他の英会話アプリ(たとえばSpeakなど)では、ぶつ切りのフレーズでも会話として成立する場面があります。
しかしSayWow(セイワオ)では、自分の意図を文として自然に伝える力が求められます。
“とりあえず単語を出せば何とかなる”という姿勢では、なかなか会話が前に進みません。
文法に自信がない方にとっては、レベル1でもしっかり歯ごたえのある内容だと感じました
タスクをねじ込もうとすると、AIが静かに反撃してきます
SayWow(セイワオ)のクエストには、あらかじめ**複数のゴール(=会話内で達成すべきタスク)**が設定されています。
ただし、それらをどうやって自然な流れで会話に盛り込むかは、完全に自分に任されています。
この「自由さ」が実は曲者で、流れを無視して唐突に話題をぶち込むと、AIが即座に反応します。
「この発言は文脈に合っていません」
「こちらのほうが自然です」
と、AIが“最適化された英文”を提案してくれるのです。
そして、その提案を受け入れると、その文を2回復唱して練習します。
逆に、自分の言い方を貫くことも可能ですが、それでは会話の流れがスムーズに進まないこともあります。
「何を話すか」だけでなく、「どう流れに乗せて話すか」まで求められる構成は、まさに本物の会話トレーニングです。
発音がうまくいかないと、ちょっとだけスパルタです

SayWow(セイワオ)の復唱チャレンジでは、発音の正確さもチェックされます。
わたしは実際に、5回以上連続でやり直しを求められました(しかも自分の名前(Birdy)。地味に心が折れそうになりました…)。
ただし、ここには優しい救済措置もあります。
- 一定回数失敗すると、自分の発音を録音で聞き返せる機能が発動
- さらに、どうしても無理な場合は、スキップボタンで次に進むことも可能
練習を強制しすぎず、でもきちんと振り返らせてくれる絶妙な設計だと感じました。
とりしま的考察|“数をこなせば話せる”には、ちゃんと理由がある

SayWow(セイワオ)のクエストは、単なる会話練習ではありません。
**赤ちゃんが母語を覚えていくように、「何度も実践しながら自然に文の型を身につけていく」**スタイルが採用されています。
ロールプレイを数多くこなしていく中で、AIが
「その言い方、こうしたほうがいいですよ」
と提案してくれる場面も多く、内容が薄い発言に対しても自然な表現に直してくれます。
それを採用して練習するもよし、提案された表現を覚えて自分の引き出しにしていくのも良い学習方法です。
さらに、SayWow(セイワオ)にはログ機能もあり、
自分の発言履歴を後から見返して復習することができます。
意味の分からなかった単語はその場で調べたり、Chironというサポートキャラに文法の解説をしてもらうことも可能です。
感覚で覚えながら、理屈でも理解できる。
この「両輪」で進められる仕組みは、かなり完成度が高いと感じました。
さらに、クエストの内容について、個人的にもうひとつ気づいたことがあります。
SayWow(セイワオ)のストーリーって、ちょっと不思議なんです。
たとえば「記憶喪失で目覚めたら、周りにアルパカやキリンがいた」といった非日常的な展開があったりします。
最初は正直「なんでこんな設定なんだろう?」と思ったのですが、続けていくうちに、
これは英語を自然に引き出すための“しかけ”なんじゃないかと感じるようになりました。
つまり、日常的な会話だと逆に話題が広がらないこともありますが、
こうした“ぶっ飛んだシチュエーション”があることで、
- 「どうしてこんな状況に?」
- 「誰が助けてくれたの?」
- 「今どこにいるの?」
といった疑問や感情が自然と湧き、英語で話すきっかけが生まれるんです。
Duolingoのように「Bear drinks beer.」のような奇抜なセンテンスで印象づけるタイプとは違い、
SayWow(セイワオ)は**“ストーリーに巻き込まれて話してしまう設計”**に重きを置いているように感じました。
料金について|このクオリティでいくら?

SayWow(セイワオ)は、現在iOS専用アプリとして提供されており、月額プラン・年額プランの2種類があります。
- 月額プラン:3,000円(税込)
- 年額プラン:15,000円(税込)※月あたり1,250円
無料登録するとチュートリアルが1度プレイ可能、プランを購入すると7日間の無料トライアルが利用可能です(App Store経由での申し込み)。
クエストのすべての機能(発音チェック・添削・ログ・Chiron解説など)が使えるのは有料版のみですが、チュートリアルだけでもその手応えは充分に伝わってきました。
👉チュートリアルで何ができるか体験レポートはこちらから
まとめ|「言ったもん勝ち」じゃ通用しない、本気の会話トレーニング
SayWow(セイワオ)の初心者向けクエスト(レベル1)を体験してみて、
「とりあえず英語を話してみよう」というノリでは通じない世界があることを改めて実感しました。
- 中学英語の基礎は必須
- ゴールを自然に盛り込む“会話の流れ”が大事
- 発音・表現・文法をしっかり最適化してくれるAIのサポートあり
- それでも苦しいときは救済機能で前に進める優しさもある
そして何より、「回数をこなすことで、英語が“使えるようになる”設計」がここにはあります。
「初心者向け=簡単」ではありませんでしたが、
本気で“話せるようになりたい”人にとっては、最初の一歩として十分に価値のあるレベル1だと感じました。